スーパーじいさんの話1
私の祖父は100歳近くまで生きた大往生じいさんだった。
戦争の最前線で戦い腹部に銃弾が入ったまま生き抜いたじいさん。
このじいさん、数々の面白い逸話を残して逝ったので少しずづ紹介していこうと思う。
じいさんは士族の家に生まれた末っ子である。
母親は家事や育児なんてしないお嬢様で乳母に育てられた。
タップダンス、尺八、三味線、ギター、歌、柔道、居合い、剣道、合気道など、様々なものがプロ級の腕前。
尺八は当時NHKラジオで披露しており、武道にいたっては免許皆伝。
戦後、体の小さな日本人がアメリカ兵を皆の前で投げ飛ばしたと話題になり、米兵にとても気に入られていたとか。
そのため米兵から珍しい異国のお菓子をよくもらっていたらしい。
私が小さいころ、小学生の兄や従兄弟たちと4人がかりで勝負を挑むも、寝転がったじいさんの足だけで全員やられた。
80歳過ぎてなおママチャリで山越えして他県まで行ってしまうほどに異常な体の持ち主だった。
とにかく強いじいさんは、山越えの理由が「競艇に行くから」という馬鹿者でもあった。
続く